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板倉 滉
アヤックス · DF

アヤックスで燻ぶった二人が、それでもW杯に間に合った

2026年5月22日 リリース·独自記事

選ばれた、という事実だけが先に立つ場合がある。

本来なら「当然の選出」と言われるはずだった。それがいつの間にか「選ばれるかどうか」という問いに変わってしまったとき、選手本人がいちばんよく知っている。自分の足元が揺らいでいることを。

板倉滉と冨安健洋。今夏の北米W杯、日本代表のDF陣を担う二人が、森保一監督から呼ばれた。Ajax Lifeが伝えるとおり、アヤックスに所属するこの二人にとって、シーズンは決して順調ではなかった。

板倉が29歳でこの2026年W杯を迎えるのは、キャリアの文脈で考えると興味深い。マンチェスター・シティでのくすぶりを経て、フローニンゲン、シャルケとローンを渡り歩き、ボルシア・メンヘングラートバッハで確固たる評価を得た。その実績を引っ提げて昨年アヤックスへ移籍したはずだった。

だが、アムステルダムでの最初のシーズンは、想定外の形になった。負傷による欠場が続き、直近のユトレヒト戦ではオスカル・ガルシア監督に起用すらされなかった。ピッチに立てない選手が代表に選ばれるのか——そういう問いが、外からは飛ぶ。

ただ、ピッチの外に立ち続けた経験がある人間には分かる。ケガとは、意志でどうにかなるものじゃない。どれだけ走り込んでも、どれだけテーピングを巻いても、体が首を縦に振らない時期がある。板倉が欠場し続けた事実は、彼の力を疑う根拠にはならない。

冨安の事情はまた別だ。長期の重傷を抱えながら、4月11日のヘラクレス戦に復帰したと思ったらレッドカードで一発退場。出場停止が明けてからもベンチを温める日々が続いた。それだけの状況にありながら、代表に呼ばれた。

森保が二人を選んだのは、情けではないと思う。実績と、可能性への信頼だ。

二人がアムステルダムに加入したとき、アヤックスのサポーターが抱いた期待は相当なものだったはずだ。板倉の対人の強さ、冨安の万能性——それがチームの再建に直結すると。

現実はその期待に届かなかった。怪我という要因があるにせよ、「アヤックスで当初多くの人が期待したものをまだ発揮できていない」とAjax Lifeは正直に書いている。

残酷な話でもある。力を示せないまま、シーズンが終わろうとしている。少なくとも冨安は今季限りで契約が切れる。板倉の契約は2029年まで残るが、W杯後にアヤックスへ戻るかどうかは不透明だ、と記事は指摘する。

つまりこのW杯は、二人にとって単なる国際大会ではない。クラブでの立場を含めた、キャリア全体のリセットボタンになり得る。

もう一つ、この選出に付随する因縁がある。

日本とオランダは、今夏のW杯で同組に入った。6月14日、ダラス近郊のアーリントンで直接対決が組まれている。板倉と冨安はそのとき、所属クラブの国と代表として向き合うことになる。アヤックスのチームメイトと。

そういう構図を前にして、W杯前にどれだけコンディションを戻せるかが、すべてだ。選ばれた意味は、ピッチで証明するしかない。

板倉は、W杯出場は今回が2度目になる。積み上げてきたものがある。それでも、このシーズンの苦しさを引きずらずに6月のピッチに立てるかどうか。

それだけが問われている。

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