サッカー欧州組 wire期間限定スペシャルモード
← 記事一覧に戻る
🇪🇸
久保 建英
レアル・ソシエダ · MF/FW

久保建英、25歳の本領——「カメレオン」が脱皮した先にあるもの

2026年6月6日 リリース·独自記事

南野拓実と三笘薫の名前が並ぶたびに、どこか守りに入った文脈で久保建英が語られる。「二人が欠場する中で、久保に負担が集中する」——海外メディアはそう書く。

でも、それは少し違うと思っている。

6月4日、久保建英は25歳の誕生日を迎えた。バルセロナの下部組織にいた頃の久保は、本当に規格外だった。あの年代でメッシと比較されるというのは、文字通り世界中でひとりかふたりにしか起きないことだ。その後、日本に戻り、16歳でFC東京とプロ契約。横浜F・マリノスでも経験を積み、18歳でスペインに渡った。

そこから先は、一言で言えば「旅」だった。

マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、レアル・ソシエダ。短い期間に複数のクラブを渡り歩きながら、久保は適応し続けた。本人は「監督やチームに求められることに合わせてカメレオンのようにプレーを変える」と語っていた。その言葉を聞いたとき、正直なところ、複雑な気持ちになった。

日本人の美徳と呼べる側面がある。空気を読み、組織に溶け込み、求められる役割を果たす。でもピッチの上で、それが必ずしも正解ではない瞬間がある。ラ・リーガのレベルに適応しようとするあまり、もともと持っていたドリブルの技術——相手がどれだけ接触を仕掛けても揺るがないあのテクニックと推進力——が少し影を潜めているように見えた時期があった。強さやスピードといった「ないもの」を補おうとする焦りが、「あるもの」を少し曇らせていた、と言えばいいか。

その感覚は、ピッチに立ったことのある人間なら分かると思う。自分の武器を封印して周囲に合わせようとすればするほど、かえってプレーが小さくなっていく。自信とは、自分の型を押し通す経験の積み重ねの中でしか生まれてこないのだ。

ここ一、二年の久保は、明らかに違う。

狭いスペースでボールを受け、素早い動作でラインの間を抜けていく。高い強度の中でも焦らず、落ち着いて技術を出せるようになってきた。体力と技術のバランスが取れてきた、というのが正確な表現だろう。ドリブルでのチャンスメイクに関しては、リーグでも屈指のレベルに到達している。

アジア最終予選では11試合で4ゴール・8アシストを記録したと原記事は伝えている。数字そのものより、この内訳が雄弁だ。チャンスを作るだけでなく、自分でも仕留められる選手になってきた。

レアル・ソシエダにおける役割は、どちらかといえばチャンスメイク寄りだ。だからゴール数だけ見ると物足りなく映ることもある。でも日本代表は、そのソシエダとは違う環境を彼に用意している。

伊東純也、堂安律、中村敬斗、鈴木唯人——チャンスを作れる選手たちが周囲に揃っている。南野と三笘がいないことを「穴」と捉える見方があるのは分かる。ただ、この4年で日本代表の層は間違いなく厚くなった。誰かひとりの欠場が即、チームの崩壊に直結するような構造ではもうない。

久保はその中で、ゴールに近い位置でプレーできる。チャンスを作るだけでなく、仕留める側に立てる。それは彼のキャリアの中で、ほぼ初めて経験する環境かもしれない。

「カメレオン」という言葉が、久保自身の口から出たとき、私はどこか切なく感じた。天才と呼ばれた少年が、適応のために自分の色を薄めていく。それが成長の過程でもあると分かっていても。

でも今は、その脱皮が終わりに近づいている気がする。

適応しながらも失わなかったもの、それを武器として、ようやく高いレベルで堂々と使えるようになってきた。25歳。遅くはない。むしろここからが本番だ。

三笘と南野がいないことへの不安より、久保を中心とした今の日本代表への期待の方が、私には大きい。

引用元の海外メディア記事

▸ 引用範囲と筆者の解釈の内訳を見る

直接引用

引用文:「監督やチームに求められることに合わせてカメレオンのようにプレーを変える」 出典: 書き手の観察メモ(一次情報)に記載された久保建英本人のコメント。原記事に対応する直接引用ではなく、書き手提供の一次情報からの引用として扱う。

間接引用

・アジア最終予選11試合で4ゴール・8アシストという成績(原記事の記述を要旨として言い換え) ・三笘薫と南野拓実が負傷によりW杯不参加という事実(原記事の記述を要旨として言い換え) ・レアル・ソシエダ所属のアタッカーとして森保体制で攻撃の中心を担うという事実(原記事の記述を要旨として言い換え)

参考情報の使用

・久保建英の年齢(25歳)および所属クラブ(レアル・ソシエダ)をタイトルおよび本文に使用

筆者の解釈・分析

・バルセロナ下部組織時代のメッシとの比較、日本帰国後のFC東京プロ契約、横浜F・マリノスでの経験、18歳でのスペイン移籍というキャリアの流れは、書き手の観察メモを基にした記述 ・マジョルカ・ビジャレアル・ヘタフェ・レアル・ソシエダと複数クラブを渡り歩いた期間の「焦り」の解釈は筆者独自の見解 ・「ないもの(体の強さやスピード)を補おうとする焦りが、あるものを曇らせた」という分析は、書き手の観察メモを踏まえた筆者独自の解釈 ・「自信とは自分の型を押し通す経験の積み重ねの中でしか生まれない」というピッチ経験者としての身体感覚は筆者独自の記述 ・「カメレオン」という発言への感傷的な読み解きと「脱皮」という比喩的表現は筆者独自の解釈 ・伊東純也・堂安律・中村敬斗・鈴木唯人を挙げながら「穴ではなく厚みの時代」という日本代表への評価は筆者独自の見解(選手名は書き手の観察メモに基づく) ・南野・三笘の不在を「不安より期待が大きい」と結論づける文脈は筆者独自の主張

※ 事実関係は引用元の海外メディア記事に基づきます。引用ルールや著作権の取扱いについては 編集ポリシーをご覧ください。

𝕏最新記事は X @tttkhs でも発信中 — フォローする ↗

久保 建英の他の記事