11月4日、日本代表のメンバー28人が発表された。 14日にブラジル、17日にパラグアイと、シンガポールで戦う。 28人のうち24人が、ヨーロッパのクラブでプレーしている。
前回の代表活動は、10月5日のニュージーランド戦で終わった。 そこから11月3日までの4週間あまり、24人はそれぞれのクラブで何試合に出て、どう見られていたのか。 試合のデータと、現地メディアの採点や論調を並べてみた。
| 選手 | クラブ | 出場(先発) | 出場時間 | 得点 | アシスト |
|---|---|---|---|---|---|
| 鈴木彩艶 | アストン・ヴィラ | 7(7) | 630分 | 0 | 0 |
| 町田浩樹 | ホッフェンハイム | 7(6) | 567分 | 1 | 0 |
| 佐野航大 | PSV | 6(6) | 526分 | 1 | 0 |
| 鎌田大地 | クリスタル・パレス | 7(5) | 479分 | 2 | 0 |
| 小久保玲央ブライアン | シント・トロイデン | 5(5) | 456分 | 0 | 0 |
| 福田師王 | カールスルーエ | 5(5) | 449分 | 1 | 2 |
| 佐野海舟 | マインツ | 5(5) | 437分 | 0 | 0 |
| 堂安律 | フランクフルト | 5(5) | 429分 | 0 | 0 |
| 鈴木唯人 | フライブルク | 6(6) | 419分 | 0 | 0 |
| 松木玖生 | サウサンプトン | 6(4) | 415分 | 3 | 0 |
| 渡辺剛 | フェイエノールト | 6(3) | 319分 | 0 | 0 |
| 中村敬斗 | リヨン | 5(3) | 309分 | 0 | 2 |
| 田中碧 | リーズ | 4(4) | 306分 | 0 | 0 |
| 坂元達裕 | コヴェントリー | 4(3) | 283分 | 1 | 0 |
| 鈴木淳之介 | コペンハーゲン | 4(3) | 253分 | 0 | 0 |
| 瀬古歩夢 | ル・アーヴル | 3(3) | 241分 | 0 | 0 |
| 伊東純也 | ゲンク | 3(3) | 226分 | 1 | 0 |
| 前田大然 | イプスウィッチ | 4(2) | 189分 | 1 | 0 |
| 菅原由勢 | カリアリ | 4(1) | 178分 | 0 | 0 |
| 久保建英 | レアル・ソシエダ | 4(2) | 166分 | 1 | 1 |
| 後藤啓介 | フライブルク | 5(1) | 155分 | 3 | 0 |
| 南野拓実 | モナコ | 3(2) | 146分 | 0 | 0 |
| 伊藤洋輝 | バイエルン | 3(1) | 101分 | 0 | 0 |
| 板倉滉 | ボルシアMG | 2(0) | 26分 | 0 | 0 |
数字と現地の評価が、そろって上を向いている選手がいる。
いちばんはっきりしているのは、松木玖生だ。 イングランド2部で6試合に出て、3得点。10月14日のノリッジ戦では、1-0の決勝点を決めた。 エッカート監督は、松木がリーグ戦で10点に届くと予想したと伝えられている。 11月3日のウェスト・ブロム戦は無得点だったが、地元紙デイリー・エコーの採点は7点。後半の攻撃のほとんどに絡んだと書かれた。
後藤啓介は、先発が1試合しかない。出場時間は合わせて155分。 それでも3点を取った。 10月28日のドイツ杯、ヴォルフスブルク戦では、途中から入った22分で2点。ドイツの専門誌キッカーの採点は、最高の1.0だった。 試合後、主将のギュンターはこう表現した。
「氷の血が流れるフィニッシャー」
続くアウクスブルク戦でも、後藤はベンチから始まった。 シュスター監督は、終盤に投入するためにあえて残したと説明している。いまの後藤の役割は、はっきりと切り札だ。
コヴェントリーの坂元達裕は、開幕から途中出場が続いていた。 10月に入って先発をつかみ、31日のサンダーランド戦で、プレミアリーグで初めてのゴールを決めた。採点サイトの評価は8点。 ランパード監督は、チームが受け身になった試合でも坂元は違った、と話している。
PSVの佐野航大は、6試合すべてに先発した。チャンピオンズリーグの2試合も、最後までピッチにいた。 オランダの専門サイトは、敵地でのライプツィヒ戦を7点と採点し、この舞台にふさわしい選手だと評した。 地元紙は見出しで、佐野の自信を、日本人らしくないほどだと書いた。
町田浩樹は、出場時間が大きく増えた。 前回の代表活動までの今季は156分。この4週間は567分で、延長までもつれたドイツ杯の120分も含まれる。 目立つ記事は多くない。それでもキッカーの採点は、6試合が2.5から3.5の間に収まった。 派手さではなく、毎試合の安定で評価されている。
今回初めて呼ばれた福田師王は、ドイツ2部のカールスルーエでプレーしている。
この4週間は、5試合すべてに先発し、ほぼすべての時間をピッチで過ごした。 10月18日のダルムシュタット戦では、1得点1アシスト。キッカーはこの試合を2.0と採点し、その節のベストイレブンにも選んだ。 1-6で大敗したマクデブルク戦は5.0。31日のハイデンハイム戦では2.5に戻している。
波はある。 ただ、2部で先発を外れずに出続け、得点にも絡んでいる。そこが今回の招集の土台になった。
数字と現地の評価が、すれ違っている選手もいる。
鈴木彩艶は、この期間に7試合、すべてフル出場した。24人の中で最も長くピッチに立っている。 10月半ばまでは、評価も高かった。ニューカッスルに1-0で勝った試合のあと、エメリ監督は彩艶の働きを名指しで称えた。マンチェスター・シティに勝った試合でも、サポーターメディアは8点を付けている。 流れが変わったのは、10月31日のフラム戦だった。64分にオウンゴールを献上し、1-1の引き分け。採点は4点まで落ちた。 11月3日のチャンピオンズリーグ、バルセロナ戦は0-3。現地の分析記事は、後ろからつなぐパスが相手のプレスを招いたと指摘し、過信気味だという声を紹介した。 出場時間は、24人で一番。評価は、直近の2試合で揺れている。
久保建英の4週間は、2つの顔を持つ。 10月18日のマラガ戦では、1得点1アシスト。地元紙は、久保が得点した公式戦でレアル・ソシエダは一度も負けていないとして、久保を勝利のお守りにたとえた。 ただ、その前と後のリーグ戦で1試合ずつ、ベンチに座ったまま出番がなかった。11月1日のアスレティック・ビルバオとのダービーは、途中から15分。 スペインのメディアには、マタラッツォ監督のもとで主力から外れつつあると書く記事も出ている。 出た試合の内容は良い。出番そのものが、論点になっている。
鈴木唯人は、6試合すべてに先発した。 それでも、評価は下がっている。 10月11日のシャルケ戦では、2枚目の警告で退場し、シュスター監督に公の場で注意された。 キッカーの採点は、開幕節のハットトリックで1.0だった。この期間の最後の4試合は、5.0、4.5、5.0、5.0と並ぶ。
堂安律も、5試合すべてに先発した。 相手を崩すパスは何本も出しているが、得点にもアシストにもつながっていない。 キッカーは、0-6で大敗したライプツィヒ戦と、ドルトムント戦を5.0と採点した。
チームの不振の中で、評価を下げた選手もいる。 クリスタル・パレスはリーグ戦で3連敗し、鎌田大地の現地の採点も5点前後が続いた。それでも鎌田は、この期間に2点を取っている。 マインツはこの5試合で4敗した。佐野海舟の評価も厳しくなったが、監督は、ワールドカップと移籍の噂が重なった夏の影響を消化する時間が要る、とかばった。 ル・アーヴルの瀬古歩夢は、5失点したパリ・サンジェルマン戦で3.5点。それでも、数少ない踏ん張った選手だったと書いたメディアもある。
そして、ほとんどピッチに立てていない選手がいる。
伊藤洋輝は、この4週間で101分。そのうち90分は、ドイツ杯の1試合だ。リーグ戦は、4分しか出ていない。 板倉滉は、お尻の筋肉を痛めて3試合を欠場し、戻ってからの2試合は合わせて26分。 カリアリの菅原由勢は、ローマ戦で初めて先発したが、地元紙の採点は4.5から5。次のラツィオ戦は出番がなかった。 コペンハーゲンの鈴木淳之介は、前回の代表活動までの今季は858分出ていた。この4週間は253分。デンマークの専門紙は、カンファレンスリーグのレッドスター戦で鈴木をこの試合で最も悪かった選手に選んでいる。 大けがから戻ったばかりの南野拓実は、3試合で146分だった。
5人の招集は、所属クラブでの今の立場とは別のところで決まっている。
24人のうち、何人かは11月の2試合で出場時間を取り戻したいはずだ。 逆に、松木や後藤、福田のように、勢いをそのまま代表へ持ち込む選手もいる。
ブラジル戦は、11月14日。 そして、来年1月に予定されていたアジアカップは、1年近く先に延びた。 ドイツでも、スペインでも、イングランドでも、地元紙はこれを、1月も日本人選手を起用できるという知らせとして伝えている。 冬に向けて、クラブでの立場を固める時間ができた選手もいる。
